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下関の漁業で特定技能を受け入れるには|流れと漁業ならではの注意点

2026 6/06
特定技能制度
2026年6月6日

下関の漁業・養殖業の現場では、働き手の確保が年々難しくなっています。ベテランの高齢化、若手の不足、漁の時期に合わせた人手の波など、悩みは尽きません。こうした課題の解決策のひとつが、在留資格「特定技能」です。

この記事では、漁業分野で特定技能の外国人材を受け入れる方法を、漁業にしぼってまとめました。対象になる業務、求められる要件、漁業ならではのポイント(派遣の活用や協議会への加入)、受け入れの流れまで、これ一本でつかめます。外国人雇用と入管手続きを専門とする弊所が、下関の現場を念頭にやさしく解説します。

用語メモ
在留資格(ざいりゅうしかく)……外国人が日本に滞在し、働くなどの活動をするための法的な資格のこと。「特定技能」もそのひとつです。

制度全体の基本(1号と2号の違い、対象16分野、費用など)は、別記事の特定技能制度 完全ガイドにまとめています。あわせてご覧ください。

目次

目次

  • 漁業分野で特定技能は使えるのか
  • 漁業で求められる技能・日本語の要件
  • 育成就労制度への移行と長期での人材育成
  • 漁業ならではのポイント:派遣形態と季節性
  • 漁業協同組合(JF)と登録支援機関、協議会への加入
    • 協議会への加入は「申請の前」に
  • 受け入れまでの大まかな5ステップ
  • 下関の漁業での活用イメージ
  • まとめ:下関の海と漁業を、次の世代へ

漁業分野で特定技能は使えるのか

特定技能で外国人を受け入れられる業務は、「漁業」と「養殖業」の2つの区分に定められています。自社の事業がどちらにあたるかを、まず確認しておきましょう。

漁業(採捕)

  • 漁具の製作・補修
  • 水産動植物の採捕(探索、漁具・漁労機械の操作)
  • 漁獲物の処理・保蔵
  • 安全衛生の確保

養殖業

  • 養殖資材の製作・補修・管理
  • 養殖水産動植物の育成管理・収穫・処理
  • 安全衛生の確保

これらの中心業務に加えて、日本人がふだん行う関連作業に付随的に従事することも認められています。たとえば、岸壁の清掃、船のエンジンの日常的な点検の補助、荷揚げ後の市場への運搬補助などです。日本人スタッフと連携してこうした作業にあたることで、現場全体の動きがスムーズになります。

漁業で求められる技能・日本語の要件

特定技能の外国人には、現場ですぐに動けることを示すための要件があります。主に次の2つのルートがあります。

  • 試験ルート:漁業の技能を測る試験(漁業特定技能1号評価試験)に合格し、あわせて日本語の要件(国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上)を満たす。
  • 免除ルート:技能実習2号を良好に修了した人は試験が免除されますが、技能試験と日本語試験で条件が異なります。
  • 技能試験(漁業特定技能1号評価試験)の免除:漁業・養殖業の分野で技能実習2号を修了していることが条件です。他の分野の技能実習2号では免除されません。
  • 日本語試験の免除:分野を問わず、技能実習2号を良好に修了していれば免除されます。漁業以外の分野(食品製造、介護など)の修了者も対象です。

用語メモ
N4……日本語能力の目安を示すレベルのひとつ。「基本的な日本語を理解できる」程度を指します。

育成就労制度への移行と長期での人材育成

技能実習制度は見直され、新しく「育成就労制度」が始まります。施行日は令和9年(2027年)4月1日です。これに先立ち、令和8年(2026年)には準備のための手続きが順に始まっています(監理支援機関の許可申請が令和8年4月15日から、育成就労計画の認定申請が令和8年9月1日から受付開始)。制度の本格的な施行は令和9年4月1日です。

用語メモ
育成就労(いくせいしゅうろう)……未経験の外国人を育てて、特定技能1号の水準まで引き上げることを目的とした新しい制度。技能実習に代わるものです。

育成就労は、特定技能1号へつなぐことを前提に設計されています。最初の3年で育成し、その後、特定技能1号として最長5年。あわせて長く働いてもらいながら、ベテランの技術をじっくり受け継いでもらう道筋を描けます。下関の漁船や養殖場で、人材を腰を据えて育てる基盤が整いつつあります。

漁業ならではのポイント:派遣形態と季節性

特定技能で「労働者派遣」が認められているのは、漁業と農業の2分野だけです。これは、魚種によって繁忙期と休漁期がはっきり分かれる水産業の特性をふまえた特例です。

たとえば、季節によって漁場や漁獲量に大きな波がある場合、一軒の船主だけで通年の雇用を抱えるのは負担が重くなりがちです。そこで、地域の漁業協同組合(JF)などが派遣元となり、季節に合わせて人材を配置することで、経営の負担を抑えつつ、必要な時期に働き手を確保できます。この柔軟な人の配置が、下関の漁業を支える一助になります。

漁業協同組合(JF)と登録支援機関、協議会への加入

特定技能の外国人を受け入れる事業者には、外国人の生活と仕事を支える「支援計画」を実施する義務があります。これを後押しするのが、登録支援機関や地域のJFです。

用語メモ
登録支援機関(とうろくしえんきかん)……受け入れ事業者に代わって外国人への支援を行う、国に登録された機関のこと。
漁業協同組合(JF)……漁業者が組織する協同組合。地域によっては、受け入れや支援に関わることがあります。

地域の漁協が支援に関わると、外国人材が下関の漁師のコミュニティになじみやすくなり、地域での共生が進みやすいという利点もあります。

協議会への加入は「申請の前」に

漁業分野で特定技能の外国人を受け入れるには、農林水産省が組織する「漁業特定技能協議会」への加入が必要です。ここで注意したいのが、加入のタイミングです。

以前は「受け入れてから4か月以内に加入すればよい」とされていましたが、令和6年(2024年)6月15日以降、この運用は変わりました。現在は、在留資格の申請(在留資格認定証明書の交付申請や変更許可の申請など)を行う前に、あらかじめ協議会への加入を済ませておく必要があります。加入が済んでいないと、申請そのものを進められません。

審査には一定の時間がかかります。雇用契約を結んだら、できるだけ早く加入の手続きに着手するのが安心です。インターネット上には「4か月以内でよい」という古い情報も残っているため、ご注意ください。

受け入れまでの大まかな5ステップ

手続きを整理すると、次の5つの段階になります。

  1. 雇用契約の締結:18歳以上であること、報酬を日本人と同等以上に設定することなどを確認して契約します。
  2. 事前ガイダンスと健康診断:労働条件を本人に十分に説明し、健康状態を確認します。
  3. 支援計画の策定:登録支援機関への委託も検討しながら、生活の基盤を整えます。
  4. 協議会への加入 → 在留資格の申請:まず漁業特定技能協議会への加入を済ませ、そのうえで入管へ在留資格の申請を行います。
  5. 入国・就労開始:生活オリエンテーションを実施し、現場での受け入れを始めます。

なお、受け入れの人数は国全体で上限が定められています(令和6〜10年度で、特定技能1号の受け入れ見込み数は最大17,000人とされています)。枠には限りがあるため、早めの計画が安心です。

下関の漁業での活用イメージ

下関の現場では、特定技能の人材が次のような形で力になると期待されています。

  • 沖合底びき網漁業:網の補修、船上での選別作業、氷詰めによる保蔵管理。
  • フグ・マダイなどの養殖業:下関が誇るトラフグやマダイの育成管理、生簀のメンテナンス、収穫後の処理作業。

「高齢化でベテランが減り、思うように船を出せない」という課題を、意欲ある特定技能や育成就労の若い担い手が補う。彼らが基礎作業と安全衛生を担うことで、熟練の漁師は操船や漁場の見きわめといった高度な仕事に専念できます。

まとめ:下関の海と漁業を、次の世代へ

漁業での特定技能の活用には、派遣形態を使えること、任せられる作業の範囲を守ること、在留資格の申請前に協議会へ加入しておくことなど、漁業ならではのポイントがあります。これらを押さえれば、制度を受け入れの確かな後ろ盾にできます。

弊所は、入管法や育成就労制度(令和9年4月施行)の動きをふまえ、書類の作成から支援体制づくりまで一貫してサポートしています。下関の豊かな海と、代々続く漁業の灯を守るために、まずは弊所の無料相談をご利用ください。御社の状況に合わせた受け入れプランをご提案します。


本記事は制度の概要をわかりやすくまとめたものです。具体的な手続きや要件は変更される場合があるため、最新の情報は出入国在留管理庁の公表情報や専門家への確認をおすすめします。

特定技能制度
下関 外国人雇用 漁業 特定技能 登録支援機関 育成就労 養殖業
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